最初で最後になった社員研修の話

社員研修

最初で最後になった社員研修の話

大学を卒業してから、2年ほどフリーターでした。
就職難の時期で、なかなか思うような職業に就くことが出来ませんでした。
念願かなって就職した会社は景気がよく、社員研修と社員旅行を兼ねて毎年、一泊二日で社員全員で泊まりに行っていました。
私はアルバイト契約からだったので、1年目の研修へは行くことが出来ませんでした。
社員は200人くらいだったでしょう。
研修を終えた人たちは、他部署の人との交流が生まれ、会社全体としては円滑に仕事が進めやすくなったようにみえました。
一方で面倒くさく感じる人も結構いたように感じます。
一年後、私も社員となり、初めての社員研修へ向かいました。
しかし、今までと雰囲気が違ったようで、その年くらいから景気が悪くなりはじめていました。
今までは研修旅行といったたのしいひと時がメインだったのですが、その年は1日中ワークショップを開き、いかにして景気を良くすべきかをみんなで打開しようという趣が強かったようです。
そのため、研修が終わると夕食でお酒を飲んだ後、みんなすぐに眠りにつき、目が覚めると朝になっており、他部署との交流などほとんどありませんでした。
しかも、それが最後の社員研修となりました。
会社は縮小し、私のいる部署はほかの会社へ買収され、その後社員研修を経験することはありませんでした。

お知らせ

一覧